2023花粉症️
2023年春のスギ・ヒノキの花粉数は、全国的に多くなり、半数以上で過去10年の平均値の1.5倍以上になる見通しです。また今年は関東周辺を中心にヒノキ花粉が多くなる見込みです。
花粉症の治療で使われる内服薬は、多種類あります。どの薬が合っているかは、なかなか判断が難しい所です。
毎年、抗アレルギー剤を飲んでいて、自分にピッタリの薬が決まっている方は問題ありませんが、花粉症デビューの方の薬は、花粉症の重症度、眠気の出やすい人、など考慮して処方します。
《抗アレルギー剤》
抗ヒスタミン薬には現在、第一世代と第二世代があります。
第一世代抗ヒスタミン薬は、抗ヒスタミン作用だけでなく、眠気、または、口渇や便秘、排尿困難などの抗コリン作用があります。
第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代と比べて眠気が弱く、抗コリン作用も少ないことが特徴です。現在、処方されるのは、ほとんど第二世代という事になります。
「抗ヒスタミン作用」
アレルギー症状の鼻水、鼻閉、クシャミ、目の痒みは、アレルギー反応により遊離されるヒスタミンによる症状です。しかし、ヒスタミンは、脳を活性化する役割を持っています。花粉症に対して内服した抗ヒスタミン剤が血流に乗って脳内に移動すると、ヒスタミン作用を阻害して脳の働きが抑制されます。これが『花粉症薬の眠気』です。
正確には、眠気だけで無く“脳の判断や思考などの能率が低下する”という事もあります。
そこで今回は、第二世代抗アレルギー剤の脳内H1受容体占有率の低いさ(眠気の少なさ)と抗ヒスタミン作用の強さ(症状抑制の強さ)の順位を記します。(*順位は、条件、個人差で多少の差があり絶対的なものではありません。)
A:脳内H1受容体占有率の低さ(眠気の少なさ)
1、アレグラ(フェキソフェナジン)
ビラノア(ビラスチン)
3、デザレックス(デスロラタジン)
4、アレジオン(エピナスチン)
5、ザイザル(レボセチリジン)
6、エバステル(エバスチン)
7、ジルテック(セチリジン)
8、クラリチン(ロラタジン)
9、タリオン(ベポタスチン)
10、アレロック(オロパタジン)
B:抗ヒスタミン作用の強さ(症状抑える効果)
1、アレロック
2、ルパフィン
3、ジルテック
4、タリオン、ビラノア
6、デザレックス、ザイザル、アレジオン
8、エバステル
9、クラリチン
10、アレグラ
(*順位は、条件、個人差で多少の差があり絶対的なものではありません。)
薬を選ぶ場合には、AとBのバランスが自分に合っている事がポイントになります。
又、抗ヒスタミン薬以外に、ロイコトリエン受容体拮抗薬は特に鼻閉(鼻づまり)に効果的です。
花粉症の薬は、症状により、これらの薬を組み合わせたり、点鼻薬、点眼薬を併用するなどして重症化の予防、治療を行っています。
受験生や運転手など職種によっては、インペアードパフォーマンス(脳機能活性化低下)を考慮したり、妊婦の方、授乳中の方も使用可能な薬も有ります。
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医院長 金子 功
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