レイナードの朝 『Dexter‘s tune』
63歳ロビンウィリアムズが亡くなったのが、2014年8月なので、ちょうど10年になります。
グッドモーニング ベトナム、今を生きる、ジュマンジ、グッドウィルハンティング、パッチアダムス、ナイトミュージアムなどの映画に出演し、アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞等の数多くの賞も獲っています。
医師を演じる事が多く、パッチアダムスは、笑いで病気を癒すクラウンドクター(ピエロDr)を演じています。
今回紹介する「レイナードの朝」も実在したある医師とある患者の物語です。
レイナード(ロバートデニーロ)は嗜眠性脳炎(エコノモ脳炎)という病を10歳の時に発症し、30年ぶりに目を覚まします。エコノモ脳炎は、1916年から約10年間全世界的に流行した脳炎で、その後はほとんど発症を報告されていない原因不明の病気です(ウィルス感染の疑い)。この脳炎になったあと、早くて数週、遅いものでは20年以上経過して、レナードのようにパーキンソン症状が発症しました。
人付き合いが苦手なマルコム・セイヤー医師(ロビンウィリアムズ)が、ブロンクスの慢性神経疾患専門の病院に赴任したところから物語は始まります。セイヤーはパーキンソン病の新薬(Lードーパー)が嗜眠性脳炎に効果があるのではないかと考えます。まだ公式に認められていない薬だったのですが、最も重症のレナードに対して使うことをレナードの唯一の家族である母親に認めてもらいます。
幸いにも?! 新薬Lードーパーは著効し、レイナードは全く意志を失っていた30年の眠りから、目を覚ますのでした。
病院での日常を取り戻したレイナードは、病院に父のお見舞いに来る若い女性ポーラと知り合い、恋をします。病院の食堂で、入院患者ローランドが弾くピアノ曲『Dexter’s tune』をバックに始まるレイナードとポーラのダンスシーンには、強く心を揺さぶられました。
今回、調べて知ったのですが、ピアノを弾いている患者ローランド役は本物のジャズサックス奏者、デキスターゴードンです。作曲はディズニー映画、トイストーリやモンスターズインクの曲を担当している、ランディーニューマンです。実に美しい曲です。
脳炎のレイナードを演ずるロバートデニーロの迫真の演技も圧巻です。
患者と医師の信頼関係、治療できない医師の苦悩、治らない病と闘う患者の苦悩、人と人との繋がり、思いやり、別れ などいろいろと考えさせられる映画でした。
興味ある方は是非ともこの機会にご鑑賞ください。 |
医院長 金子 功
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