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新型コロナウィルスの診断について
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新型コロナウィルスの診断について

現在蔓延しているCovid-19は、他のコロナウィルスと同様、初めは風邪症状で発症します。耳鼻科を受診される方は、発熱、倦怠感、頭痛、ノドの痛み、咳、嗅覚障害など全てが新型コロナ感染症を疑う初期症状に該当します。一般的な風邪の場合、ノドに特別な所見はありません。扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎が無い場合には、新型コロナ感染の疑いが否定出来ないという事になります。そこで、ウィルスの有無を確認するのが、「抗原検査」「PCR検査」となります。

抗原検査
抗原検査というのは、簡易検査の一種でウイルス特有のたんぱく質(抗原)を検出する検査です。鼻の奥の粘液を綿棒で採取して検査します。結果は15分程度で出ます。インフルエンザの検査で、鼻の中に綿棒を入れてやる検査と同様のものです。
抗原検査はウィルスが100個以下では検出率が低いですが、PCR検査との陽性一致率の調査分析では、ウィルス400個以上で90%以上、1600個で100%の一致率です。発症2日目から9日以内の有症状者については、抗原検査キットとPCR検査の結果の一致率が80〜90%以上である事が確認されています。コロナウィルスに暴露して感染するには10000個(感染性ウィルス100個分)以上のウィルスが必要と推測されていますので、感染力が有る人を検出するという意味では、抗原検査は大変有用と思われます。
抗原検査キットで陽性の場合は確定診断となります。しかし、陰性の場合でも症状が強い時はPCR検査が必要となります。

PCR検査
RNAウイルス遺伝子の特徴的な一部分を切り取り連鎖反応で増幅させて、ウィルスを検出します。現在日本で行われているPCR検査は、コロナウィルスが5個の検出限界で設定されています。(増幅回数40=CT値)
もし、少ない増幅回数でウィルス陽性に検出されたら、それだけ多量のウィルスを持っている感染者という事になります。
問題点としては、増幅回数40回くらいで、やっと陽性になった方も、感染力がないのに感染者同様に扱われると云う事があります。
しかし、実際にはほとんどの人が現状、増幅35回未満(CT値35未満)で検出されている様です。
検査は唾液か鼻咽腔からとった検体を検査します。発症後2〜9日までの検出率が高く、発症10日目以降では唾液による検出は低いとされています。
新型コロナ感染症を疑った時には、それぞれの方の症状、年齢、発症経過、合併症の有無、社会的背景を考慮して「抗原検査」か「PCR検査」かを選択します。
特に、抗原検査は症状発症当日(1日目)は検査できませんので、微熱で症状が軽い場合は、発症後2日目以降に受診する方が良いと思います。
発症からの日数と抗体陽性率の推移(https://doi.org/10.1038/s41591-020-0897-1より)
(Nandini Sethuraman ら、JAMA.2020.8259, 忽那賢志訳https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200509-00177709/)



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