まず理解して頂たい事は、基本的にどこの科の病気でもそうですが、人間の体には病気やケガを自分の体で治そうという自然治癒力があり、薬や治療行為は、それを最大限に引き出して、病気やケガの回復を手助けするにすぎないという事です。ですから、薬さえ飲んでいれば薬が治してくれるというのは、思い込みであると言わざるを得ません。特に、滲出性中耳炎ではいくら通っていてもなかなか良くならない時期があって、ある日突然快方に向かい治ってしまうことを、しばしば経験します。ある耳鼻科に通院して、2カ月、3カ月良くならなかったのが別の耳鼻科に変えたら、あっという間に治ってしまった。それは、耳鼻科を変えたから治ったのではなく、たまたまその時期が回復する時期だったに過ぎないのです。医師は病気を治す手助けしているのであって、病気は本人の自然治癒力が治しているのです。 |